知ってますか?高額療養費制度

みなさんこんばんは!ついに8月に突入しました。
涼しい建物の中から快晴の空を見ているのはとても気持ちがいいですが、いざ外に出てみると暑くて10分もしないうちに屋内に戻りたくなってしまいます。毎日暑いですが、適度な運動をして「夏バテなんて関係ないぜ!」と言えるような健康的な夏を過ごしていきたいものです。
さて、健康的なというワードとは逆の話になってしまいますが、前回まで「病気やケガに備える」をテーマに公的保障についてお話しさせていただきました。
今回のブログでは病気になった際やケガをした際にかかる「医療費」に注目し「高額療養費制度」という制度についてお話しさせていただきます。
目次
高額療養費制度とは
病気やケガによる医療費の負担が重くなりすぎ、家計をひっ迫しないようにすることを目的として用意されている制度です。
医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1カ月(各月の1日~月末迄の期間)の自己負担限度額を超えた場合、その超えた額が払い戻される仕組みとなっています。(※予め自己負担限度額までの支払いで済む方法もありますが、詳細については後述致します。)
この限度額は年齢や所得に応じて定められています。年齢については70歳以上の方と69歳以下の方で分けられます。
今回のブログでは69歳以下に絞ってお話ししていきます。
自己負担限度額
自己負担限度額は所得によって異なります。ここでいう所得とは標準報酬月額(≒毎月受け取る給与の額)のことを指しており、これを基準として5つの区分に分けられます。
総医療費に関わらず自己負担限度額が一定の区分とそうではない区分の2種類が存在し、具体的内容は上記の表の通りとなります。各自己負担限度額以上に医療費を支払った場合は以下の申請を行うことで限度額超過分の払い戻しを受けることができます。
<申請方法>
加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国民健康保険・後期高齢者医療制度・共済組合など)に高額療養費の支給申請書を提出または郵送する。
高額療養費の対象外となる費用
自己負担限度額以上の金額を公的医療保険が負担してくれるというのは非常にありがたい内容ですが、上記の通り対象外となる費用があるため注意が必要です。
・差額ベッド代
病院によって基準が異なる場合がありますが、多くの場合、8人部屋が基本となっています。これよりも収容人数の少ない部屋(4人部屋、2人部屋、1人部屋など)に入院すると1日あたりに追加でベッド代が必要となります。これを差額ベッド代と言います。代金は一律で決められているものではなく病院毎に異なります。(記載しているのは平均金額をまとめたものです。)
・食事代
多くの場合、1食460円前後で提供されています。この食事代は高額療養制度の対象外となります。1日三食=1380円が入院日数分必要となり、これは別途自己負担となります。
・生活療養費
入院中に必要となる衣類や日用品、消耗品を購入した代金、コインランドリー使用料やテレビカードなどがこれに該当します。
具体例
会社員Aさん(報酬月額:37万円)
・ウィルス性の肺炎にかかり20日間入院(同月内)
・医療費として15万円を支払い
(健康保険証提示で3割負担)
まず、Aさんが支払った医療費15万円についてですが、会社員であるAさんの医療費はこの時点で3割負担となっています。
3割負担で15万円だったということは、総医療費は50万円となります。
150,000円 ÷ 30% = 500,000円
ここからAさんの医療費限度額を求めます。
Aさんの報酬月額は37万円のため、これを基に限度額を計算します。
80,100円+(500,000円ー267,000円)×1%
80,100円+ 2,330円
=82,430円
限度額は82,430円となります。
最後に、払い戻し額を求めます。
Aさんは退院時に15万円を支払ったので15万円から限度額である82,430円を差し引きます。
150,000円 - 82,430円 = 67,570円
67,570円が払い戻されます。
こ、こ、これはありがたいっ!!!!!
限度額適用証明証
「限度額適用認定証」とは高額療養費における自己負担限度額がどの区分に当てはまるのかを示した証明書です。
これを病院の窓口に提示すると、請求される医療費が高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。
つまり、高額な医療費を一旦立て替える必要がなく、その後の払い戻しを申請する手間もかかりません。
限度額適用認定証は予め加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国民健康保険・後期高齢者医療制度・共済組合など)に申請書類を提出することで交付されます。よって、事前に手術が予定されているような入院であれば前もって交付を受けておくといいかもしれません。
まとめ
みなさんいかがだったでしょうか?
ケガや病気で医療費が嵩んでしまった場合にもこのような公的医療保険制度があることをご存じでしたか?
この制度は自身での申請が必要となるので、予め制度の存在を知っておくことが重要です。
また、民間の医療保険を検討する際にも、この制度を理解しておくことで保険でどれくらいの保障を用意しておく必要があるのか目安をつけることができるため、商品選びにも役立ちます。必要以上の保障をつけてしまい高額な保険料を払うことも避けられるかもしれませんね。
高額療養費制度、是非覚えておきましょうっ!