源泉徴収票の見方

みなさんこんばんは。グラウベンです。
日中の暖かさと朝晩の涼しさが心地いい秋らしい日が続いています。
秋と言えば、食欲!読書!スポーツ!
秋空の下で季節の味覚を味わいながらの読書…最高ですね。
しばらく秋には頑張ってもらって、少しでも長く続いてもらいたいものです。
さて、今日は少し早いですが年末に向けて「源泉徴収票」についてまとめました。
会社で受け取る方が多いかと思いますが、実際のところ何が書いてあるのか誰も説明してくれず、理解する機会が少ないのではないでしょうか。
今日は「源泉徴収票」にはどんなことが書かれているのかをお話し致します。
目次
- ○ 源泉徴収票とは
- ○ 【赤文字グループ】
- ・①支払金額(年収)
- ・②所得(給与所得控除後の金額)
- ・③所得控除の合計額
- ・④源泉徴収税額
- ・⑤基礎控除
- ○ 【青文字グループ】
- ・①配偶者控除
- ・①配偶者特別控除の続き
- ・②扶養控除
- ・③障害者控除
- ○ 【緑グループ】
- ○ まとめ
源泉徴収票とは
源泉徴収票の見方は上図の通りです。
源泉徴収票をザックリ説明すると1年間を通して「会社から支払われた給与・手当」「納めた所得税額」「控除」が記載されている票(書類)です。
本来、所得税の納税義務は個人単位で発生するため、個人がそれぞれ自分で納税する必要があります。しかし、会社に勤めている場合は会社が給与から予め所得税を差し引いてくれ、代わりに納税をしてくれています。給与から所得税を差し引くことを「源泉徴収」といいます。
会社が源泉徴収を行うことで、従業員は原則、確定申告をする必要がなくなります。
(給与以外に一定の収入がある等の場合は確定申告をする必要があります。)
では、上図を基に以下説明していきます。
【赤文字グループ】
まずは、図にある赤文字の部分について説明していきます。
①支払金額(年収)
支払金額は会社から支払われた金額の総額であり、いわゆる「年収」です。
基本給だけではなく、賞与や残業代、各種手当が含まれた金額です。
※交通費等は含みません。
②所得(給与所得控除後の金額)
国税庁HP:「給与所得控除」より抜粋
所得は、「①支払金額」から「給与所得控除額」を引いた金額です。
給与所得控除とは、一定の額を経費として年収から差し引く(控除してくれる)仕組みです。
給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて上記のように定められています。
③所得控除の合計額
所得控除の合計額は、給与所得控除を除く控除金額の合計額です。
給与所得控除を除く控除とは、以下のものがあります。
● 社会保険料控除(国民年金・厚生年金保険料など)
● 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金など)
● 生命保険料控除
● 地震保険料控除
● 寄附金控除(ふるさと納税など)
● 障害者控除
● 扶養控除
● 基礎控除 など
④源泉徴収税額
国税庁HP:「所得税の税率」より抜粋
源泉徴収税額は、1年間に納めた所得税の金額です。
「②所得」から「③所得控除の合計額」を引いたものに「課税所得額に応じて決定される所得税率」をかけて算出されます。
源泉徴収税額=(②-③)×課税所得額に応じて決定される所得税率
所得税率は源泉徴収票に記載されていませんが、課税所得額と所得税率の関係は上記のようになっています。
(課税所得額は1,000円未満の端数切り捨て)
⑤基礎控除
国税庁HP:「基礎控除」より抜粋
基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ上記のとおりとなります。
【青文字グループ】
次に、図にある青文字の部分について説明していきます。
①配偶者控除
国税庁HP:「配偶者控除」より抜粋
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを「配偶者控除」といいます。
控除対象配偶者にはいくつかの要件があります。※今回は割愛します。
要件に当てはまる場合は上記の金額が控除額となります。
①配偶者特別控除の続き
国税庁HP:「配偶者特別控除」より抜粋
また、これに当てはまらない配偶者でも別途定める要件を満たせば「配偶者特別控除」といいます。
なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。
②扶養控除
こちらに関しても、要件を満たす場合は控除対象となります。
※要件については年齢や収入等が関わるため、詳しく知りたい方は調べてみて下さい。
扶養控除を簡単にいうと、納税者によって生計を一にする者(平たくいえば、養ってもらっている人)がいる場合は、その者分の基礎控除を認め、納税者の所得から控除してくれるというものです。
各区分の「扶養控除額」については上記の通りです。
③障害者控除
これは納税者本人、配偶者、扶養家族が所得税法上の障害者に当てはまる際に、一定の控除を受けられる制度のことをいいますが、詳細については割愛させて頂きます。
【緑グループ】
緑グループについては過去にブログで紹介している内容のため、1点だけ「社会保険料控除」について説明を…。
「社会保険料控除」とは、毎月給与から天引きされている金額を指しています。
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
(・介護保険料)
これらについては支払った金額がそのまま社会保険料控除となります。
つまり、①の金額は一年間に支払った社会保険料の総額が記載されています。
まとめ
いかがでしたか?
年末によくわからず「源泉徴収票」を受け取っている方も多いかと思います。
長々と説明してしまったので、要約すると以下の通りです。
赤文字①は「年収」
赤文字②は「年収」-「給与所得控除」
赤文字③は「所得控除の合計額」
→ 青文字の全部+緑文字の全部+赤文字⑤
赤文字④は源泉徴収額となっています。
※源泉徴収額とは、会社が支払った給与、賞与、報酬、退職金等を対象として納めた所得税です。詳細は割愛しますが、事前に定められた方法で計算した予定額を納税しているので、年末に正式な所得税を計算した結果と清算されます。
手元に源泉徴収票がある方は一度ご自身のもので確認してみて下さい。
手元に去年のものが無い方は、今年の源泉徴収票を受け取ったら是非確認してみて下さい^^
なお、今回のブログに載せた各控除額等は全て令和3年現在のものとなっています。
見直しが行われ、金額が変わることもあるためその点は確認が必要となります!
源泉徴収票の内容を理解し、自分がどれだけのお金を稼ぎ、国に納めているのかを把握してみましょう☆